本記事では、カバディとは何であるのか。意味、ルール、必要なものなどについて解説します。
「カバディとは何? 意味は?」
「カバディのルールについて知りたい。」
「カバディをするのに必要なものは何?」
この様な疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
本記事を読むことで、カバディの意味や、用語、必要なものなどの全てを理解できます。
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カバディの意味とは?
カバディは、鬼ごっことドッジボールを融合させた独自のルールを持つスポーツです。そして、カバディは、インド、パキスタン、バングラデシュなど南アジアの国々で数千年の歴史を持つ伝統的な国技になります。
カバディの起源
紀元前、武器を持たずに獣と戦い、様々な技を駆使して獣に呼びかけながら囲んで捕獲し、獣の攻撃から身を守る術から、カバディはスポーツとして発展しました。
「カバディ」という言葉自体に意味はなく、無心に発声することで体と心を一体にして、平静な状態に導くマントラです。
インドの二大叙事詩の一つである『マハーバーラタ(戦記)』には、クル戦争の際、7人の敵に囲まれた英雄の息子が突破を試みるが力尽きたという話があります。カバディは、一人のレイダー(攻撃手)と、7人のアンティ(守備側)でプレーすることが規定されました。
カバディの歴史
19世紀にルールが整理されて、20世紀には、インドのガンジーやノーベル文学賞を受賞したタゴール、ネルー首相の熱烈な支持を得て、本格的に組織化されました。
1980年には、第1回アジア・カバディ選手権大会が開催され、1990年には北京で開催された第11回アジア競技大会(通称アジア・オリンピック)の正式種目になりました。
現在、インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、イラン、タイ、マレーシア、シンガポール、ブータン、モルディブ、ラオス、インドネシア、アフガニスタン、トルクメニスタン、キルギス、中国、韓国、日本の他に、イギリス、イタリア、ドイツ、カナダ、アメリカ、西インド諸島が参加国になっております。日本では1989年から実施され、欧米各国にも拡大されています。
日本では1989年以降、全日本カバディ選手権大会、学生選手権大会、西日本大会など、年に数回大きな大会が開催されています。
カバディの競技人口
現在、世界のカバディ競技人口は約1,000万人で、日本の競技人口は約5,000人です。
カバディのルール
カバディは全身を使います。特に足を使う競技として、走ることが重大なスポーツになります。
カバディは、体育館か競技場で行われます。コートの長さは、次の通りでなければなりません。
コートの長さ
男子:長さ13メートル、幅10メートル
女子:長さ12メートル、幅8メートル。
選手の数は、男女各1名または男女各1名とし、1チームの選手数は男女各7名です。
試合時間
男子:前半20分、休憩5分、後半20分。
女子:前半15分、休憩3~5分、後半15分。
体重制限
男子:85kg以下
女子:75kg以下
最後に、カバディ競技の試合の流れを解説します。
カバディを行う際は、半袖シャツ、半ズボンを着用し、各チームのユニフォームは統一することが規定されております。
審判が7人全員がコートにいることを確認した後、カバディが始まります。カバディは全身を使った鬼ごっこのようなもので、攻撃側と防御側が交互に行います。
まず、「レイダー」が攻撃側で、「アンティ」が攻撃される側と覚えておきましょう。
ゲームが始まりましたら、片方のチームのレイダーと呼ばれるアタッカーが相手コートに入って、攻撃をします。
攻撃をする時には、キャントという発声(ガバディという言葉)の連呼が必須です。途中で「カバディ」という言葉が途切れた場合は、攻撃者はアウトになって、相手チームに1点が入ります。
レイダーは、相手チームの誰かにタッチをして、制限時間内に、自チームに戻れた場合だけ得点になります。
カバディと本当に言っている?
私は映像を見ましたが、ラグビーの試合のような勢いで攻めていました。そして驚いたことに、彼らは「カバディ」とは言っておりませんでした。まったく聞こえませんでした。「本当に言っているのだろうか?」と疑ってしまいました。ルールが緩いのかもしれません。
気になる「カバディ」の意味ですが、特に意味はありません。何も考えずに「カバディ」と言うことで、身も心もひとつになり、不思議な活力が生まれるという説があります。
日本代表は世界の強豪です。お気づきだと思いますが、誰も「カバディ、カバディ、カバディ」とは言いません。
しかしながら、選手たちは「カバディ、カバディ、カバディ」と言っているのだそうです。詳しくはわかりませんが、一息に言い続けても、審判にはわからないと思うので、自己申告だと思います。
また、「カバディ」には、特に意味はなく、平常心を導くための言葉、呪文に過ぎません。映像を見ましたら、ラグビーみたいです。鬼ごっこと聞いて、実際に見てましたら、格闘技的な側面がある印象を受けました。
意外なことに、カバディには日本代表チームもあるようで、2010年のアジア評議会で日本男子が銅メダル、第1回女子ワールドカップで、日本女子が銅メダルを獲得しています。
カバディは、インドをはじめとする南アジア発祥のスポーツです。現在では国境を越えて多くの国で行われています。カバディの見どころは、ボールや武器を使わないことです。
攻撃も防御も身体で表現します。走ることを中心にして、全身を使う魅力的なスポーツです。
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カバディの用語
レイド(攻撃)
カバディでは、相手コートに入って攻撃することを「レイド」と呼び、攻撃する手を「レイダー」と呼びます。
レイダーは、鬼ごっこの鬼のように、単独で相手コートにいるディフェンスの選手にタッチしに行きます。タッチしたディフェンス選手の数だけ、得点はありますが、タッチして自陣に戻るまでは得点になりません。
また、レイダーはレイドの間、「カバディ」とつぶやき続けなければなりません。ディフェンダーに捕まって、自陣に戻れなかったレイダーは、コートの外に出なければならず、味方が得点するまでコートに戻ることはできません。
ストラグル(接触)
レイダーが敵と接触して、点を握っている状況のことです。
髪の毛や衣服が、1本でもレイダーに触れましたら、ストラグルになります。レイダーは、こちらのストラグルから自陣に戻ることでのみポイントを得ることができます。
ディフェンダーがレイダーに触れても、接触としてカウントされるので、わざと捕まって得点を稼ぐ攻撃方法もあります。
キャント(詠唱)
息継ぎをしないで「カバディ」と繰り返し唱えることです。レイダーは唱えている間しか、攻撃はできません。
試合中に、レイダーが詠唱でフェイントをかけたり、ディフェンダーが詠唱を合図にして、レイダーのタイミングを予測するなど、戦術として使われることもあります。
アンティ(守備)
カバディにおいて「アンチ」とは、守備や守備選手の選手を指します。アンチの主な目的は、攻撃チームの得点を防ぐ(=タッチされない)ことであり、鬼ごっこの子役の様に、レイダーのタッチをかわさなければなりません。
タッチされて得点された後、アンチはコートから退出しなければならず、チームメイトが得点するまでコートに戻ることはできません。
ただし、ディフェンス時に自陣でレイダーを捕まえることもでき、成功しましたら、自チームの得点になります。したがって、アンティは、逃げるだけでなく、相手に向かっていかなければなりません。
チェーン(鎖)
アンティがディフェンス同士で手を取り合って、レイドを防ぐ技です。カバディの主なディフェンス方法で、複数のディフェンダーが一体となって道を塞いで、取り囲むことで、レイダーを捕まえやすくなります。
ローナ(全滅)
チームの全員が、コートアウトの全滅状態のことです。ローナになったチームには、相手2点を与えた上で、その後チーム全体が復活します。
タッチによる得点に加えて、ローナによる2点が相手の得点に加算されるため、大きくリードを奪われる危険性があります。
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オリンピックのカバディ
現時点では、カバディはオリンピックに採用されておりません。
アジア大会が開催されて、ワールドカップも開催されているため、競技者数という五輪の採用基準はクリアしています。
理由のひとつは、カバディの選手の多くがアジア地域、特にインドに集中していることです。。
オリンピック採用基準の一つに、次のものがあります。
「夏季オリンピックの競技に関しては、男子は4大陸75カ国以上、女子は3大陸40カ国以上で広く行われている競技のみ。」
「冬季オリンピックの競技に関しては、3大陸25カ国以上で、広く行われている競技のみ。」
しかし、カバディは近年、各国の若者を中心に人気が高まっており、五輪に正式採用される可能性は十分にあります。
カバディに必要なものは?
結論から言いましたら、カバディをやるために必要なものは何もありません。各チームに7人の選手さえいましたら、いつでもどこでも始めることができます。
以下は、主に公式戦で使用される用具のリストです。
ユニフォーム
公式戦では、ユニフォームの着用が義務付けられています。半袖、短パン、前後に、大きなゼッケンがついていれば特に規定はありません。
シューズ
カバディは裸足でプレーすることが多いため、シューズは任意です。特に規定はありませんが、金属や突起物のない靴でなければなりません。ちなみに、近年は日本のメーカーからも、カバディ専用のシューズが発売されています。
サポーター
肘や膝にサポーターを使用する選手が多いです。カバディでは、激しい接触が多いため、選手自身だけでなく、対戦相手を外傷から守るためにもサポーターを使用します。
まとめ
カバディとは何であるのかや、意味、ルール、必要なものなどについて解説しました。カバディを見たい、初めてみたい方は、本記事をご参考にしてください。